小説読後の記録棚

宇谷が小説を読んで抱いた感想を書いていきます。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ヴェールドマン仮説』 西尾維新

情報西尾維新100冊目の小説。探偵一家、吹奏野家次男である「ぼく」こと吹奏野真雲が連続殺人事件の謎を追う。感想ころころ変わる状況にページを捲る手が進む一作。久々にシリーズでない西尾維新の作品を読んだ。語り口の西尾維新節は変わらず、すらすら〜と…

『蝉かえる』 櫻田智也

情報昆虫好きな青年、魞沢泉(えりさわ・せん)がさまざまな場所で起きた謎を解き明かすシリーズ二作目。連作短編集。感想いや、ほんと、おもしろい!!今作が日本推理作家協会賞を受賞したのをきっかけにまずは前作を…と思い、読んでみたらめちゃくちゃ面白…

『亜愛一郎の狼狽』 泡坂妻夫

情報亜愛一郎が主人公の短編集1冊目。泡坂妻夫デビュー作『DL2号機事件』含む短編8作を収録。感想櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』がめちゃくちゃおもしろく、魞沢が「ブラウン神父、亜愛一郎に続く…」と紹介されているのを見て、長らく気になっていた亜愛…

『狩人の悪夢』 有栖川有栖

情報火村英生シリーズ長編大ヒットホラー作家、白布施との対談がきっかけで彼の家を訪問することになった有栖川有栖。必ず悪夢を見るという部屋に泊まった翌日、白布施の元アシスタントが住んでいた家で右手首のない死体をアリスは発見する。感想手首のない…

『盤上に君はもういない』 綾崎隼

情報長編。前人未到の女性棋士を目指す2人の女性(諏訪飛鳥・千桜夕妃)を描いた物語。感想将棋一家に生まれ、将棋のためだけに生き、女性初の棋士を目指す少女、諏訪飛鳥。彼女の取材を行う記者、佐竹亜弓の視点から物語が始まる。最初の一文を読んで、「う…